理学療法は、起きる・座る・立つ・歩くといった基本動作の再獲得や機能維持を主な目的として行います。スムーズに運動を引き出すために、関節運動・筋力強化や温熱による治療も併用して行います。
訓練はオープンスペースで明るいリハビリテーションセンターや、病棟・療養棟でも実施しています。
理学療法士だけではく、他のリハセクションとの合同訓練も行っており、レクリエーションの要素も取り入れながら楽しく運動ができるように考えています。
当院の理学療法では、応用行動分析の考え方を取り入れながら、「辛く苦しい」「我慢する」といったイメージとなりやすい訓練を楽しく前向きに取り組んでいただけるよう、また患者さま・入所者さまの持っている能力を最大限に活用しながら機能維持・改善を目指しています。
また、認知症や高次脳機能障害のある方も、訓練に取り組んでいただけるような対応を心掛けています。
維持期のリハビリテーションは、毎日の生活の場で基本動作が安全に行える事が重要だと考えます。そのため、生活の場である病棟・療養棟のスタッフとのコミュニケーションも大切にしています。また、介助の方法や福祉用具の選択・活用を含めて、生活場面での問題を解決しながら訓練を進めていきます。
環境の変化が苦手なこともある認知症や高次脳機能障害のある方にも、安心して訓練に取り組んでいただけるよう配慮しています。例えば、患者さま・入所者さまの様子や特性などの情報をスタッフ間で共有することで、多角的な視点からアプローチすることができます。基本的には担当の療法士が訓練を実施しますので、安心できる環境で訓練に取り組んでいただくことができ、体調や精神的な変化に気づきやすく、状況に応じてプログラムの細かな変更ができます。
長期療養の患者さま・入所者さまには、時間をかけて目標に向かって小さな復活を積み重ねていく事で、大きな喜びを共に感じたいと思っています。
体調が安定していれば寝たきりの方はリクライニング車椅子に乗車して居室から出ます。ベッドに寝ている時とは違い、見る景色も変わり心地よい刺激となるでしょう。天候の良い時には庭園へ散歩にも出られますので、四季を感じることができます。病状にもよりますが、庭園でリハビリを行う事もあります。
他のリハビリセクションともコミュニケーションをとりながら、QOL(生活の質)の向上を目指していきます。
歩行器やシルバーカー・杖などでの歩行が可能な方には、アンウェイシステムやトレッドミルというリハビリ機器を利用して歩行訓練を行うことがあります。
介護療養病床・介護医療院において、同機器がある施設は少ないと思われます。